オリンピック開催時の東京より多い陽性者で始まったカタールW杯


ワールドカップで盛上がるカタールと未だ感染対策の日本

2年前の未知のウイルスとは今は違う。日本はいつまでこんな事やって日常を奪っていくのだろうか。
完全に世界から取り残されていると思う。 pic.twitter.com/b8e6btyh1R

— KENTA aka Lil’K (@KENTAG2S) November 23, 2022

まずはサッカー日本代表の皆様、ドイツ相手の劇的な逆転勝利おめでとうございます。負けそうな展開だったので驚き思わず自宅で歓声を上げてしまいました。(この記事は逆転勝利の翌日に書いています)

さてプロレスラーのKENTA氏の発言がニュースとなりました。[1] 日本の日常を奪う感染対策に異を唱える発言が増えることは喜ばしいと思っています。

ただ発言中に「2年前の未知のウイルス」という言葉がありますが、京都大学のウイルス学者の宮沢孝幸先生によれば、新型コロナウイルスは最初から「ウイルス学的に言えば、既知のウイルスです。既知すぎるくらい既知」だそうです。[2] 最初から既知のウイルスで、つまり性質なども予想できていたことを知る人が増えてくれればと思います。


オリンピック開催日の東京とW杯開催日のカタールの感染状況


グラフで東京オリンピック開催日の2021/7/23からカタールW杯開催日の2022/11/20までの東京とカタールの感染状況を比べます。1番目のグラフが100万人当りの新規陽性者で、東京五輪開催日の東京が95人、カタールW杯開催日のカタールが115人と、カタールの方が多くなっています。

細かい数値の差はともかく、馬鹿馬鹿しいと思いませんか? 東京オリンピックだって陽性者数で騒がなければ何の制限も無く開催できたのです。

カタールの陽性者は現在減少傾向です。いずれ上昇に転じる時期が来るとは思いますがW杯とは関係無いでしょう。行動制限に意味は無いのです。

2番目のグラフ、死者に関しては日本の方が多いのですが、既に書いたように、日ごと全死者死者は100万人当り30〜40人出ており、呼吸器系疾患死者に日ごと常時400〜700人出るのですから(別途記事にします)、100万人当りだと常時3〜6人です。一方で東京でのコロナ死者は最大値ですら100万人当り2人です。コロナ禍が始まってから1年半も経っていたのですから対応できないのならそれは医療体制の怠慢としかいいようがありません。


東京とカタールのワクチン接種と感染状況



同じ期間でのブースター接種率推移と、日ごとの新規接種数と新規陽性者・死者比較のグラフを示します。青が人口当りの新規接種数で朱色が新規陽性者数や死者数です。東京の方が積極的に接種して、かつ新規陽性者数が増えていった様子が分ります。(なおカタールで2022年7月に一ヶ所だけ日ごとの接種数が高くなってますが、これは纏めて報告されただけでしょう。)

検査もマスクもワクチンも積極的にすればする程、コロナ禍が終りません。


参考文献

  1. Yahoo!ニュース(報知新聞社提供), ``KENTA、W杯競技場と後楽園ホールの客席の差に「日本はいつまでこんな事やって日常を奪っていくのだろうか」''
  2. 宮沢孝幸, ``京大 おどろきのウイルス学講義,'' PHP新書 2021/4