新型コロナなど呼吸器系感染症は空気感染により拡大
サイエンス誌「呼吸器系ウイルスの空気感染」が掲載
- ウイルスを含んだエアロゾル(<100 μm)は空気中に漂う
- 一方で、飛沫(>100 μm)はすぐに地面に落ちる
- つまり飛沫を防いでも、エアロゾルにより空気感染してしまう
- 図はサイエンス誌「呼吸器系ウイルスの空気感染」Wang2021[1]より
チャールズ・チェイピンの作った嘘が100年以上続く
- 1910年ごろチャールズ・チェイピンが飛沫感染説を唱えた
- (元は呼吸器系感染症は「疫病粒子」の空気感染と考えられていた)
- 空気感染に言及することで、人々が恐れ衛生習慣を無視を懸念
- チェイピンの根拠の無い仮定は疫学研究として広まった
呼吸器系感染症が空気感染であることを示す厖大な研究
- 表は呼吸器系感染症が空気感染であることを示す研究
- 詳細は元論文 Wang2021[1]を参照のこと
Lancet「SARS-CoV-2空気感染を支持する10の科学的理由」
- Lancet誌「SARS-CoV-2の空気感染を支持する10の科学的理由」GreenHalgh2021[2]
- 画像は日本語の解説記事3
米国CDCのページにも空気感染だとする論文が記載
- MIF(管理隔離施設) にいる間に Aから別部屋のB、C、D への感染が実証
- コロナウイルス感染症の公衆衛生介入にとって世界的に重要とまで記載
- 米国CDC掲載論文 Fox-Lewis2022[4]
解説/Explanation
概要を抜粋して要約すると、
『この公衆衛生調査では、MIF(管理隔離施設) にいる間に Aから B、C、D への感染が実証されており、空気感染による説明が最も妥当。これらの発見は、コロナウイルス感染症の公衆衛生介入と感染制御実践にとって世界的に重要』
と書かれており、この発見が世界的に重要とまで記載されている。
参考文献
- WANG, Chia C., et al. Airborne transmission of respiratory viruses. Science, 2021, 373.6558: eabd9149., https://www.science.org/doi/full/10.1126/science.abd9149
- GREENHALGH, Trisha, et al. Ten scientific reasons in support of airborne transmission of SARS-CoV-2. The lancet, 2021, 397.10285: 1603-1605., https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)00869-2/fulltext?ref=vc.ru00869-2/fulltext?ref=vc.ru)
- 向野賢治, 日本医事新報社[緊急寄稿]COVID-19は空気感染対策に注力, 2022/07/16, https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=19893
- FOX-LEWIS, Andrew, et al. Airborne transmission of SARS-CoV-2 delta variant within tightly monitored isolation facility, New Zealand (Aotearoa). Emerging infectious diseases, 2022, 28.3: 501., https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/28/3/21-2318_article
- GREENHALGH, Trisha, et al. Ten scientific reasons in support of airborne transmission of SARS-CoV-2. The lancet, 2021, 397.10285: 1603-1605., https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)00869-2/fulltext?ref=vc.ru00869-2/fulltext?ref=vc.ru)