そもそもmRNAワクチンのDNA汚染問題とは何か?


Kevin McKernan氏がmRNAワクチンのDNA汚染を発見


解説/Explanation そもそもDNA汚染問題とは何かを、まずは大雑把に解説する。

DNA汚染を発見したMedicinal Genomics社のMcKernan氏はDNA解析の専門家で、元々mRNAワクチンの品質問題に取組んでた(詳しくは後述。McKernan氏は2023年2月ごろmRNAワクチンがDNAで汚染されていることを発見しSubstackで公表[7]した。Substackは日本でいうところのnoteの様なもので、要はWEBで公開したというとである。これは PlasmidGate と呼ばれ、段々と大きな問題となっていった。


mRNAの製造にはDNAを鋳型として使用、大腸菌で増やす


解説/Explanation mRNAの製造にはDNAを鋳型として使用、大腸菌で増やす。詳しく解説する。

mRNAはDNAを鋳型として使用する。鋳型DNAは、環状、つまり輪っか上の二本鎖DNAであるプラスミドに、スパイクタンパクの遺伝子を導入したものである。このプラスミドを大腸菌に總入し培養して鋳型となるプラスミドDNAを大量に製造する。大腸菌や大腸菌本来の直鎖状のDNAを除去しプラスミドDNAを精製し、T7 RNA合成酵素でmRNAを大量に合成する。

要はmRNAを作るためにはDNAが必要でそのDNAがワクチンの中に残っていたということである。


除去すべきDNAが原理的に除去できなかった


解説/Explanation mRNAワクチンに含まれる最終的にDNAは除去しないといけないが、原理的に除去できなかったいうのが今回の問題である。

理由としては幾つか考えられる。環状のプラスミドを制限酵素で切断する反応が不十分であった。合成されたmRNAがDNAに強固に結合しDNA分解を阻害した。これは mRNAワクチン中のmRNAの特徴であるメチル化とGCリッチ(グアニンとチミンを多く含んだ情報に変更すること)にしていることがDNAととmRNAとの強固な結合を生み、DNA/RNAハイブリッドを形成していたとんだと考えられている。


mRNAがDNAで汚染されると何が問題なのか?


解説/Explanation mRNAがDNAで汚染されると何が問題なのか?

そもそもヒトのDNAを本人の同意無く改変してはいけない。ユネスコでは「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」による宣言されている。

また「生物多様性に関するカルタヘナ議定書」という国際条約もある。生物多様性に影響を及ぼす可能性のある遺伝子組み換え生物(Genetically Modified Organism, GMO)の導入に際して、インフォームド・コンセント・安全性評価・追跡の枠組みを決めるものである。本来には農作物や家畜に関するものだが、人にの遺伝子を本人の同意無く組替えた場合にも枠組みを適用しないといけなくなるのでは無いだろうか。


何故この問題を重要視しているのか?


解説/Explanation 何故この問題を重要視しているのか説明する。

元の配列が分ってしまうほどのDNA残留はそれだけで問題である。安全基準は決まっており、1回接種あたり10ng以下とか、mRNAの1/3000 であるなどという基準になっている。これらの妥当性は不明だが、ともかく安全基準は決まっている。しかしその基準値をも超えている。ここで基準値以下なら安全という意味では無いことに注意されたい。

DNA汚染が副反応・有害事象の原因の一つでは無いか、また癌化を促進するのでは無いかという疑いがある。これは他の要因が無いという意味でも無いし、DNA汚染が主因だと言っているのでは無い。mRNAには他にも問題が多々あるが、これも大きな問題であるということである。ひょっとすると長期的には一番の問題かもしれないし、遺伝子への影響も考えると、人類の行く末に関するは最大の問題かもしれない。

またDNA汚染は、今後のmRNA製剤やレプリコンワクチンでも同じ問題が起きると考えらる。また大きな被害を出すことが懸念される。


参考文献

  1. ficc, ツイート, 2023/05/07, https://twitter.com/ficc_ystk/status/1655142459574489088
  2. こーじ, 【文字起こし】2023.10.22 村上康文名誉教授 免疫学者の警鐘 PART7 「mRNAワクチン “DNA汚染” の衝撃」, 2023/10/28, https://note.com/yukiharu2020/n/ne0277e20b81a
  3. ヒト, ツイート, 2023/11/22, https://twitter.com/GVdFrnRWbN18944/status/1727210847574057468
  4. BROGNA, Carlo, et al. Detection of recombinant Spike protein in the blood of individuals vaccinated against SARS‐CoV‐2: Possible molecular mechanisms. PROTEOMICS–Clinical Applications, 2023, 17.6: 2300048., https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/prca.202300048
  5. 厚労省, 新型コロナワクチンQ&A, https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0008.html
  6. 国際連合教育科学文化機関(ユネスコ), ヒトゲノムと人権に関する世界宣言, 文科省(仮訳), https://www.mext.go.jp/unesco/009/1386506.htm
  7. McKernan, K., Deep sequencing of the Moderna and Pfizer bivalent vaccines identifies contamination of expression vectors designed for plasmid amplification in bacteria, Substack, 2023/02/16, https://anandamide.substack.com/p/curious-kittens
  8. McKernan, K., Sequencing of bivalent Moderna and Pfizer mRNA vaccines reveals nanogram to microgram quantities of expression vector dsDNA per dose, 2023/04/11, https://anandamide.substack.com/p/sequencing-of-bivalent-moderna-and