健康な人への医療介入は効果が無くむしろ害になる
コクランによると定期健康診断しても死亡リスクは下がらない
- コクラン[1]のメタ解析論文はバイアスを極力排除し世界的な信用あり
- 論文Krogsbøll2012[2]では定期健診しても総死亡・心疾患・脳卒中は減らず
- 健康な人への医療介入でよりよい結果は出ない
- 図はコクランのページ[3]より
コクラン[1]は、英国に本部を置き、国際的なネットワークを持ち、質の高い情報を用いて健康上の意思決定をしたいと考える人に情報を提供するつ非営利団体である。特にRCTメタ解析論文は高く評価されている。
このように健康な人への医療介入で、人が健康になるという結果は得られていないのである。
解説/Explanation
コクランの論文Krogsbøll2012[2]では、11本のRCT論文から総計で23万人の死亡が評価されていた。それによると定期健診しても総死亡・心疾患・脳卒中は減らなかったという報告されている。
癌検診も癌による死亡や総死亡を減らさない
- 論文Holme2013[4]では検診で大腸癌死亡は減らせるが総死亡は減らず
- 論文Gøtzsche2013[5]ではマンモグラフィによる健診も乳癌が減ったように見えても、癌による死亡率や総死亡率は減らず
- 特定の疾患による死者を減らしても総死亡が減らなければ意味は無い
- 健康診断は日本だけの奇習、健康診断の無意味さを日本の医師は広めない
- 図は独立行政法人経済産業研究所 RIETI[6]のページより
また論文Gøtzsche2013[5]ではマンモグラフィによる健診も乳癌が減ったように見えるのだが、結局、癌による死亡率や総死亡率は減ら無かったというこが示されている。
このような結果を受けて日本以外では定期健診は行われない方向にある。既に健康診断は日本だけの奇習となっているのである。にも関わらず健康診断の無意味さを日本の医師は広めないというのが実情である。
解説/Explanation
同様にコクランの論文Holme2013[4]では検診で大腸癌死亡は減らせるが総死亡は減らせないことが示されている。特定の疾患による死者を減らしても総死亡が減らなければ意味は無いのである。
医療介入すると死亡率が上がるという明確な結果もある
- フィンランドの論文[7]で生活習慣病に医療介入で総死亡リスク上昇
- 健診後、介入群には食事指導、高脂血症薬、降圧薬。放置群が生存率高い
- 特定の疾患に関わる不安を煽り、検査して、医療介入して結果悪くなる
- コロナ禍でも健康な人に検査し医療介入していつものように死者を増やした
- 特定の疾患による死者を減らしても総死亡が増えれば害でしか無い
- 図はSBクリエイティブOnline[8]より
これが健康な人への医療介入による結果といことなのである。コロナ禍でも健康な人に検査しマスクやワクチンなどの医療介入して、これまでと同じように死者を増やしたのである。特定の疾患による死者を減らしても総死亡が増えれば害でしか無いのである。
解説/Explanation
フィンランドで論文Strandberg1991[7]では生活習慣病に対して医療介入し、総死亡リスクを放置群と比較すると、総死亡リスクが介入群で上昇したという結果が得られている。介入群には食事衛生措置、高脂血症薬、降圧薬などが行われていた。一方で放置群には検診を受けた後、何もしなかった。
医療介入論文の94.4%には、効果の根拠が無い
- 論文Howick2022[9]でコクランレビューの医療介入論文をメタ解析
- 効果に高い根拠があったのは5.6%、つまり94.4%の論文には医療介入の根拠が無い
- なおかつ8.1%の論文には重大な害を示す証拠があった
- 現実の医療介入も利益になるという明確な根拠無く行われているのでは無いか?
- 図はヒト氏ツイート[10]より
なおかつ127件(8.1%)の論文には重大な害を示す証拠があった。
現実の医療介入も利益になるという明確な根拠無く行われているのでは無いか? その結果、明確な害が起きていると考えるのが自然では無いだろうか。実際、自粛、検査、マスク、ワクチンといった対策の結果、若者を中心に、自殺が増え、またマスクが手放せなくなるという現象が起き、ワクチンを射った全世代において史上最悪の健康被害が起き、史上最悪の超過死亡も観測されている。
解説/Explanation
論文Howick2022[9]では、コクランレビューの医療介入論文から無作為抽出して1567件をメタ解析した。驚くべきことに効果に高い根拠があったのは87件(5.6%)しか無かったというのだ。つまり94.4%の論文には医療介入の根拠が無かったということになる。
参考文献
- コクラン, https://www.cochrane.org/
- KROGSBØLL, Lasse T., et al. General health checks in adults for reducing morbidity and mortality from disease: Cochrane systematic review and meta-analysis. Bmj, 2012, 345., https://doi.org/10.1136/bmj.e7191
- コクラン, 病気と死亡を低下させるための総合健診, 2012, https://www.cochrane.org/ja/CD009009/EPOC_bing-qi-tosi-wang-wodi-xia-saserutamenozong-he-jian-zhen
解説/Explanation
https://www.cochrane.org/ja/evidence](https://www.cochrane.org/ja/evidence)- HOLME, Øyvind, et al. Flexible sigmoidoscopy versus faecal occult blood testing for colorectal cancer screening in asymptomatic individuals. Cochrane Database of Systematic Reviews, 2013, 9., https://doi.org/10.1002/14651858.CD009259.pub2
- GØTZSCHE, Peter C.; JØRGENSEN, Karsten Juhl. Screening for breast cancer with mammography. Cochrane database of systematic reviews, 2013, 6., https://doi.org/10.1002/14651858.CD001877.pub5
- 独立行政法人経済産業研究所 RIETI, 関沢 洋一, 第4回「がん検診は効果があるか?」, 2017-05-16, https://www.rieti.go.jp/users/sekizawa-yoichi/serial/004.html
- STRANDBERG, Timo E., et al. Long-term mortality after 5-year multifactorial primary prevention of cardiovascular diseases in middle-aged men. Jama, 1991, 266.9: 1225-1229., https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/391550
- SBCr Online, 近藤誠, 和田秀樹, 健診でオールAほど早死にしやすい本当の理由, 2018-03-19, https://online.sbcr.jp/2018/03/004280_3.html
- HOWICK, Jeremy, et al. Most healthcare interventions tested in Cochrane Reviews are not effective according to high quality evidence: a systematic review and meta-analysis. Journal of clinical epidemiology, 2022, 148: 160-169., https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0895435622001007
- ヒト, ツイート, 2024-07-25, https://x.com/GVdFrnRWbN18944/status/1816136761413886473
- KROGSBØLL, Lasse T., et al. General health checks in adults for reducing morbidity and mortality from disease: Cochrane systematic review and meta-analysis. Bmj, 2012, 345., https://doi.org/10.1136/bmj.e7191