グラフで見る日本の3年間: 対策するほど状況は悪化
2020〜2021年 武漢株、デルタ、ワクチン1,2回目
- 日本では元から死者を集中させるような風邪では無かった
- 自粛で皆が病院に行くのを控えると超過死亡が減る
- 医師のストライキで死亡率が減るというメタ解析論文と合致
解説/Explanation
グラフは 2020年1月から2021年12月までの時間推移である。この期間に起きたことは武漢株コロナの蔓延、デルタ変異の蔓延、そしてワクチンの 1, 2回目の接種である。縦軸は上から新規陽性者数、コロナ死者数、超過死亡数である。青い線が日ごとの接種数で、朱色の領域が陽性者や死者である。
解説/Explanation
グラフで分ることは、日本では元から死者を集中させるような風邪では無かったとういこと、また自粛で皆が病院に行くのを控えると超過死亡が減るということである。超過死亡数は例年と比べてのコロナ以外も含む死者数の増減を意味する。実はこれは、医師がストライクをしても死亡率は増えない、むしろ下がるというメタ解析論文とも合致する(後述)。
そしてワクチン接種で陽性者が増え、死者も減らさなかった。これがデータから見える事実である。
2020年は死亡率減少: 医師にかからなくなると死亡率は変らないかむしろ下がる
- 医師がストライキしても死亡率は変らないとするメタ解析論文[1]あり
- むしろ医師のストライキで死亡率が下がることも(逆は無い)
- 2020年コロナ騒ぎ初年は自粛による医療控えで死亡率が下がったのでは
- 夕張市は財政破綻で医療縮小されたが死因によっては死亡率が下がった[2]
- 表はヒトさんツイートより抜粋[3]
論文を踏まえれば、2020年、コロナ騒ぎ最初の年は自粛による医療控えで死亡率が下がったと考えられる。
日本でも夕張市は2006年財政破綻で医療縮小されたが死因によっては死亡率が下がった[2]という実例もある。健康な人への医療介入はマイナスなのである。ただし工合が悪い人が病院に行くことや事故にあったときの救急医療、乳幼児のケアなどを否定しているわけでは無い。あくまで健康な人への医療介入が問題なのである。
解説/Explanation
医師がストライキをしても死亡率は変らず、むしろ下がる場合があるとと報告するメタ解析論文[1]がある。逆に医師のストライキで死亡率が上がる場合は無かったとも報告されている。
2020〜2023年 オミクロン、追加接種も含めた対策の全期間
- 接種開始後の2021年からは、接種数に呼応して超過死亡も増加
- 2022年の3回目接種の波以降は陽性者・死者・超過死亡の波とよく呼応
- ワクチン無ければもっと酷いことに理論はカルト宗教の壺と同じ
3番目のグラフにおいて、2021年からずっとプラスの値になっているということは、例年より死者が多くなったことを示している。2021年はワクチン開始時期である。また2022年から始まる 2番目の波、つまり3回目接種から陽性者・死者・超過死亡の波ともよく呼応している。
日本において感染者も死者も超過死亡もワクチンが原因で増えたのだと考えるのが自然だろう。
これをワクチンが無ければもっと酷いことになっていたというのは、カルト宗教と同じ発想である。高額な幸せを呼ぶ壺を買わせ、よいことがあれば壺の御陰、悪いことが起きればもっと悪いことが起きたと言い逃れする構図と同じである。
解説/Explanation
グラフは横軸が時間推移で、2020年1月から2023年5月までの新型コロナ分類の変更までを示している。縦軸は上から新規陽性者数、コロナ死者数、超過死亡数である。青い線が日ごとの接種数で、朱色の領域が陽性者や死者である。陽性者も死者も接種に応じて増えていると捉えるのが普通の感覚だろう。
2023年になって日本の接種率は主要国ダントツ世界1位
- 2022年8月、11月、2023年1月に陽性者数世界トップに
- 人口当りでもブースター接種数の多い東アジアが世界トップクラス
- 伸びからいえば日本は世界一ワクチン接種したい国民
筆者が提示しているグラフも Ourworldindata.org のデータを元にしています。グラフは横軸が100人当りのブースター接種数、つまり3〜5回目の接種数となっています。NHK のデータは1〜2回目も含んでいましたが、ブースター接種数で比較した方が最近の傾向が分り易いと思います。
2023年1月23日のブースター接種率のグラフだと、日本はブースター接種数で130を超え主要国でダントツの1位となりました。
WEB上グラフでは、スライドバーを左に132日前に戻してから右にまた移動させることができます。日本が陽性者が世界トップクラスの座から右に高速に移動しつつ一旦少し下って、また世界トップクラスになったことが分るかと思います。人口当りでもブースター接種数の多い、日本、台湾、香港、韓国といった東アジアが世界トップクラスになっています。
世界で一番接種したがり、世界で一番陽性者を計上して、いつまでもコロナ対策が終らなかった。この国は一体何がしたかったのでしょうか。
参考文献
- CUNNINGHAM, Solveig Argeseanu, et al. Doctors' strikes and mortality: a review. Social science & medicine, 2008, 67.11: 1784-1788., https://doi.org/10.1016/j.socscimed.2008.09.044
- 森田 洋之, 財政破綻、病院消滅の夕張で老人が元気な理由 心疾患と肺炎の死亡率が大きく低下, PRESIDENT Online, 2020年1月3日号, https://president.jp/articles/-/31439
- ヒト, ツイート, 2023/11/25, https://twitter.com/GVdFrnRWbN18944/status/1728261751547060271
- コクラン(Cochrane), https://www.cochrane.org/ja/evidence, https://www.cochrane.org/ja/evidence
- 森田 洋之, 財政破綻、病院消滅の夕張で老人が元気な理由 心疾患と肺炎の死亡率が大きく低下, PRESIDENT Online, 2020年1月3日号, https://president.jp/articles/-/31439