マスクが思考能力や運動能力を低下させる
チェスのエキスパートほどマスク着用で手が悪くなる傾向
- Smerdon2022[1]は18か国8,531人(5~98歳)のチェスの300万手を分析
- グラフのX軸は右に行くほどエキスパート
- エキスパートほどマスク着用で手が悪くなる傾向が大きい
- 最適手・ほぼ最適手・平均的な手の質・大きなミスの回避、全て悪くなる傾向
グラフのX軸は右に行くほどエキスパートとなっており、Y軸は手の質の良さの割合いが平均からどのくらいよくなっているのかを示している。エキスパートほどマスク着用で手が悪くなる傾向が大きく、最適手・ほぼ最適手・平均的な手の質・大きなミスの回避、全て悪くなる傾向となっている。
総じてマスク着用で思考能力が低下していることを示唆する論文となっている。
解説/Explanation
Smerdon2022[Smerdon2022] は 18か国の8,531人(5~98歳) のコロナ禍における、300万のチェスの手の質を分析した論文である。年齢、性別、マスク義務の有無など多変数での解析を行っている。
チェスの序盤ほどマスク着用で手が悪くなる傾向
- グラフのX軸は10手ごとに纏めてどの段階かを示し、左が序盤で右が終盤
- 序盤ほどマスク着用で手が悪くなる傾向が大きい
- 大きなミス回避はそれ程変らない
- 最適手・ほぼ最適手・平均的な手の質は悪くなる傾向
解説/Explanation
グラフのX軸は10手ごとに纏めてどの段階かを示し、左が序盤で右が終盤となっており、序盤ほどマスク着用で手が悪くなる傾向が大きい。大きなミスの回避においてははそれ程変らなかったが、最適手・ほぼ最適手・平均的な手の質は悪くなる傾向となっている。
マスクによる運動能力の低下
- Driver2022[2]はトレッドミルで心臓負荷試験(CPET)を32人で RCT
- 運動時間、最大酸素摂取量、分あたり換気量、最大心拍数が低下
- 息切れの増加 (以上 Results で強調している項目のみ抜粋)
総じて、マスクにより運動負荷が上がり、運動の継続に妨げになるといえる。
解説/Explanation
Driver2022[Driver2022]は、トレッドミルを使用した心臓負荷試験(Cardiopulmonary exercise test, CPET)を 32人に対してランダム化比較試験 (RCT) を行った論文である。様々な指標を評価しているが、Results の章で強調しているものは、運動時間、最大酸素摂取量、分あたり換気量、最大心拍数であり、全てにおいて有意に低下したということが示されている。また息切れも増加していた。
心臓負荷試験 CPET 詳細
- CPET詳細: 段階的に速度と傾斜を上げ運動負荷を増加
- 16人がマスク着用で試験、その後にノーマスクで試験、残り16人は逆
- 布マスク装着していると脱落が多いようだ
段々とが負荷が上がっていく試験で、そもそも布マスクを着用していなくても脱落していくのだが、布マスクをしていると更に顕著に脱落していくことが分る。
解説/Explanation
表は心臓負荷試験(CPET)の詳細で、段階的に速度と傾斜を上げ運動負荷を増加させていることが分る。16人がマスク着用で試験、その後にノーマスクで試験、残り16人は逆の順番で試験している。マスク試験からノーマスク試験に移れなかった人が一人いるので、31人分の解析。