レプリコンワクチンは感染拡大を惹起こすのか?
細胞間での伝播が起きることは30年前の論文から明らか
- CELLの論文[1]では数種類の細胞で自己増殖型mRNA細胞間の伝播を確認
- コロナのスパイク蛋白に似たタンパク質VSV-Gを持つ
- mRNAとGタンパクを含む細胞外小胞が感染性粒子となって細胞間伝播
- 上清をだけを新しい細胞に加えての増殖も確認
- 図はヒト氏作成[2]を元に作成
論文ではmRNAとVSV-Gタンパクを含む細胞外小胞が感染性粒子となって細胞間伝播し感染細胞が増殖していくことが確認されている。上清をだけを新しい細胞に加えての増殖も確認されており、それが継代できることも確認されている。
この30年前の論文を読む限り、2024年秋に投入されようとしているスパイク蛋白質の遺伝子情報を持つ自己増殖型ワクチン、レプリコンワクチンも細胞間伝播はするものと考えられる。
解説/Explanation
CELLに掲載された30年前の論文Rolls1994[1]では数種類の細胞で自己増殖型mRNAつまりレプリコンの細胞間の伝播を確認している。この論文での自己増殖型mRNAは遺伝子情報を持っているVSV-G蛋白質を産生することができる。このVSV-G蛋白質はコロナのスパイク蛋白質に似た性質を持っており細胞膜やエクソソーム上に林立することができる。
接種者からの伝播は確実、感染拡大の可能性は否定できず
- エクソソームなど細胞外小胞が感染性粒子となるのは確実
- 汗や呼気に含まれシェディング(排出)し他人に伝播することも確実
- 伝播した非接種者で増殖する可能性はある
- 更に他人に感染し感染拡大していくほど増殖するかは分らない
- 可能性は否定できないのだから、即刻止めろという話
- 図はヒト氏作成[2]を元に作成
次からは可能性の話である。伝播した非接種者で増殖する可能性はある。他人に感染し感染拡大する程度に増殖するかどうかは分らない。しかし可能性は否定できないのだから、即刻止めろという話である。
もう少し深く考察してみる。細かい話なので難しければ読み飛ばしてもらいたい。
レプリコンに関してそもそも論なのだがが、LNPに包まれて細胞に導入し易くなったmRNAは最初に注射されたものだけである。では複製されたmRNAどの細胞で機能するのか? と考えてみる。元の細胞内だけで機能するのなら、従来型mRNAの1/10の量で、レプリコンのスパイク蛋白産生能力を従来型mRNAに匹敵させるのは難しいのでは無いだろうか。
そうすると元から別の細胞に移る仕組みがあるわけで、それがエクソソームなのであろう。
感染拡大が絶対無いとするある研究者は「mRNAが入ったエクソソームで感染するというのは原理的にはありそうだけど、実験(殻の無いレトロウイルスなど)で上手くいったことは無い、だから現実的にはあり得ない」と言っているが、それだとレプリコンワクチン増殖の仕組み自体を否定しているのでは無いだろうが。この理論でいくと、レプリコンで増殖したmRNAは隣の細胞に輸送されそこでスパイク蛋白を作ることができないという話になる。
ところが今回の論文の話はスパイク蛋白やVSV-G蛋白のように何らかの受容体に結合する性質と膜に林立する性質の物のもエクソソームに一緒に入っていれば、十分な感染性を持つというのが30年前から分っていることを示している。
少なくとも、逆転写によりDNAに取込まれないといけないという感染へのハードルが高いレトロウイルス実験の例を出すのは不適切である。
誤解の無いように書いておくが、検証の結果、他者への伝播はあっても拡大は起きないことが判明するかもしれない。しかし他者への伝搬があるだけでも問題だし、「製薬企業側は感染性粒子の放出が個体間感染を招かないことを証明しなければならない」のであり、検証しないといけないのは製薬企業の問題で、研究者が科学的に懸念を表明するのは当然のことである。
科学的に伝播の可能性を説明できるのに「拡大はあり得ない、非科学」と断定するのはロジックがおかしい。
解説/Explanation
細胞間伝播の結果からエクソソームなど細胞外小胞が感染性粒子となるのは確実である。エクソソームはmRNAや産生した蛋白質を運ぶということで、現実に美容の分野でも使われているものでもある。エクソソームが汗や呼気に含まれシェディング(排出)し他人に伝播することまでは確実である。これはそうならない機序が全く考えられないというくらい確実である。
「レプリコン接種者お断り」論争
- AIによるマウスなら隔離や捕獲が当前の遺伝子製剤をヒトに投与という現状纏め
- 対象はヒトだから隔離や捕獲なんて人権問題としてできるわけない
- この現状を共通認識としてから議論しないと平行線にしかならない
- シェディングからの伝播は科学的に確実、実証されてからの対策では遅い
図に示すようにAIを用いて、DNAで汚染されたLNP/mRNAをもし実験用マウスに投与したら隔離や逃げてしまったときの捕獲は当り前という話を纏めてもらった。シェディング問題や自己増殖型である場合の問題も含めている。
マウスであれば隔離や捕獲が当り前の遺伝子製剤を、ヒトに投与してしまって、対象はヒトだから隔離や捕獲なんて人権問題としてできるわけないというのが現状なのである。シェディングからの伝播は科学的にあるのが分っている話で警戒するのも当り前。実験用マウスへの投与なら隔離も当り前。実証されてから対策すればよいという話では無いのである。
「禁煙」の店というのはいうまでも無く社会的に許される。普段から吸ってる人でもその店に入るときに吸わなければよいだけの話。では「普段から煙草を吸っている人お断り」の店は許されるか? 筆者は大多数の店がそうならない限りは許されると思う。
「レプリコン接種者お断り」の店も大多数の店がそうならない限りは許されるのでは無いかと思う。2024年10月現在、実際に対象者もいないわけで注意喚起という意味では「アリ」だと思う。ただし「今秋、コロナワクチンを射った方お断り」の文言の方がよいとは思う。これはそもそもレプリコンだけが問題では無いし、射つような人の多くはレプリコンもコスタイベ知らないし、それどころかmRNAさも知らないかもしれない。
追記で「mRNAワクチンは……」とか「レプリコン(コスタイベ)は特に……」と書いて注意喚起する方がよいのでは無いだろうか。
さて上の話はあくまで「実際に接種者がいない現時点では」という条件付きである。仮にレプリコンが続々と接種され「レプリコンお断り」の店が大多数になったときは人権問題でもあるので、どう解決すればよいだろうか? 解決策は無いように思う。
だからこそ今、何としても止めることが重要なのである。
解説/Explanation
「レプリコンワクチン接種者お断り」の店舖が許されるかどうかの論争になっているが、まず多くの人が認識していない現状を共通認識としてから議論しないと平行線にしかならないだろう。
参考文献
- ROLLS, Melissa M., et al. Novel infectious particles generated by expression of the vesicular stomatitis virus glycoprotein from a self-replicating RNA. Cell, 1994, 79.3: 497-506., https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/0092867494902585
- ヒト, ツイート, 2024-06-04, https://x.com/GVdFrnRWbN18944/status/1797674073084039678
- ヒト, ツイート, 2024-06-04, https://x.com/GVdFrnRWbN18944/status/1797674073084039678